エチオピア世界遺産、 シミエン国立公園トレッキング5日目!!
今日がラスト!!
サンカバール(標高3620m)から、デバルク(標高2600m)へ下っていきます。
しかし、その前に解決しなければならない問題があります。
5日分の料金を支払ったのにも関わらず4日目にしてミュール(荷物を運ぶ動物)と
ミュールマン(ミュールを管理する人)が消息不明になった件です。
昨日、サンカバールのロッジにいた観光客のガイドに状況を伝え、
今日の朝にミュールに関する全体の管理者と話せる事になっています。
その管理者が早朝にサンカバールにやって来る予定なので、
その人が来たらガイドが僕たちのロッジに来て教えてくれる、
という事になっています。
しかし。
一向に、ガイド来ず。
その為、そのガイドがいるロッジに行ってみる事に。
そのロッジに到着。
ガイドいるやん。
彼に確認するとミュールに関する
全体の管理者を連れてきてくれました。
既に、管理者いるんかいッ!!
なぜ、僕らのロッジに来て教えてくれなかったんでしょうか。
ガイド、ミュールの管理者、ゆきさんで話し合いの始まりです。
え?
僕?
僕は傍観者です。
いざという時に頼れない男の代表格が僕です。
まず、ゆきさんがミュールの管理者に状況を説明。
すると、スカウトのアタノさんに何か確認したり、
ガイドと話したりし始めました。
そして、出た最終的な結論。
ここでは、どうにもならない。
その理由は、僕らがミュールの料金を支払ったのが、
3日目のチャンネックまで一緒にいた別のグループのガイドだったから。
結局は、そのガイドに確認しないと問題の原因もわからないので、
何も対処できないとの事。
じゃあ、どうすんねん!!
と僕が思っていると、ゆきさんが
「じゃあ、どうすれば良いのよ!」的な事を言ってくれました。
ははは。
僕は、いざという時に発言できない軟弱男です。
ゆきさんのこの発言で、
なんとか問題を解決する糸口が見えてきました。
ミュールの料金を支払ったガイドにはコンタクトを取れないが、
事務所に行けばなんとかなる。
ただ、歩いて事務所に向かったのでは、
事務所が開いている時間に間に合いそうにありません。
そのため、事務所があるデバルクまで車を使って戻りたいと伝えます。
すると、道を走っている車を捕まえるように言われました。
併せて、その車に乗る料金は事務所で精算してもらうようにとも、言われました。
さっそく、ここサンカバールのロッジを出て道で車を待ちます。
ただ、その車
いつ来るかは、誰も知らないんです。
しかも、必ず来た車に乗れるわけでもないんです。
昨日までトレッキングをしていて、
時たま確かに車は走っていました。
ただ、ほんとに数台。
今は、そんな車をただひたすらに待つしかありません。
地べたに座って待っていると、
僕ら以外で車を拾いたい人達が集まってきました。
合計で20名くらいでしょうか。
彼らと共に、引き続き車を待ち続けます。
しかし、待てども待てども車は1台も通りません。
すると、スカウトのアタノさんからジェスチャーで、
「歩いて先に進むぞ!」らしき意思表示がありました。
周りの人たちも、揃って先へ歩き始めます。
どれくらい歩いたでしょうか。
後方から、車が走る音らしき音が聞こえた気がします。
来たッ?!
と思って後ろを振り返ります。
数分経っても、車が来る気配はありません。
空耳だったようです。
更にしばらく歩き続けていると、
後方に車が見えましたッ!!
僕たちは手を上げて、
車に止まってくれるよう合図を出します!
徐々にスピードを落とす車。
僕たちを少し過ぎた辺りで停車。
走って駆け寄ります。
デバルクまで乗せて行って欲しい事を伝えると・・・
車の運転手)OK。
あざまーーーーーーーーーすッ!!
早速、荷物が積まれた荷台に乗り込みます。
やっと、車に乗れる。
そう思っていた矢先、
スカウトのアタノさんが
「車から降りて。」らしきジェスチャー。
とりあえず荷台から降りて運転手に確認すると、
やっぱり乗れないよう。
どうやら、シミエン国立公園内にチェックポイントがあって、
荷台に外国人を乗せているのがバレるとマズイらしいのです。
また、振り出しです。
再び、歩きながら車を待ちます。
しばらく経っても、車は来ず。
アタノさんからの指示で、座って待つ事に。
ゆきさんの体力は昨日のトレッキングで既に限界。
背中がいつもより小さく見えました。
とはいえ、たぶん僕と同じくらいですけどね。
けっこーしっかりした背中なので。←この一文を見られたら、僕はゆきさんにぶっとばされると思います。
ここから、見える景色も相変わらず壮大でした。
でも、この時の心境としては、
景色すげぇけど、早く車、来てくれぇー。
という心境でしたよ、ええ。
最初に待ち始めてから2時間程経った頃。
でかいトラックが走ってくるのが見えました。
手を上げると、僕らの前で停車。
荷台には、人が十数名乗っています。
ドライバーに乗せてくれるよう、交渉。
ゆきさん、アタノさん、僕で
800ブル(約4,570円)で荷台に乗せてくれる事に。
高いなー、と思いましたが、乗る以外の選択肢がなかったので荷台に乗車。
晴れて、デバルクへ向け出発する事ができました。
荷台に乗っている人は立っていたり、座っていたりしました。
僕たちは座らせられます。
せっかくなので、景色を見たいと思い立ち上がろうとしすると、
アタノさん)NO!NO!【※ジェスチャーで】
どうやら、僕たちが乗っている事がバレるとまずいらしいのです。
山道を走るトラックは、激しく揺れます。
そのため、ゆきさんはグロッキー状態。
「気持ち悪い。」と言って、終始塞ぎ込んだまま。
しばらくすると、アタノさんから布を被るよう言われました。
どうやら、そろそろシミエン国立公園のチェックポイントに到着するようです。
言われた通り布を被って、チェックポイントに備えます。
チェックポイント到着。
特に荷台をチェックされる事はありません。
チェックポイント通過。
無事、問題なく通過する事ができました。
そして、デバルクへ到着。
早速、事務所(ツーリストインフォメーション)へ向かいます。
事務所に到着。
そこにいたスタッフに、今回のトラブルについて説明。
5日分の料金を支払ったけど、荷物を運ぶミュールと
それを管理するミュールマンが4日目以降いなくなってしまった。
返金してもらいたい。
なぜ、こうなったのか確認してもらいたい。
デバルクまでのトラック代も精算してもらいたい。
すると、
スタッフ)ミュールの料金を支払ったガイドに確認しないとわからない。
どうやら、ガイドと話をする以外、解決の術はないようです。
そのガイドの名前は「メトコ」。
メトコは、まだシミエン国立公園にいて今日は戻ってこない。
僕たちはそう思っていました。
そんな時に事務所の外で、たまたまメトコがガイドをしていた
オーストリア人女性が車に乗っているのを発見。
駆け寄って話を聞いてみると、
メトコと、ちょうどさっきデバルクに帰ってきたらしい。
すぐ様、事務所のスタッフにメトコが帰ってきている事を伝えます。
するとスタッフがメトコに連絡し、メトコが事務所に来る事に。
事務所で僕たちが待っていると、スタッフに連れられてメトコが現れました。
それにして、バツが悪そうな顔をして、全く目を合わせようとしません。
スタッフ、メトコ、ゆきさん、僕で話し合いが始まります。
まず、ゆきさんが5日分の料金をメトコに支払ったのに、
4日目にミュールとミュールマンがいなくなった事を英語で説明。
すると、メトコは必死で言い訳を始めます。
そして、スタッフに対して「俺は悪くない!」というような事を言っています。
しかし、スタッフは今の状況からして、
メトコが何かしらの悪さをしたと考えている様子。
どうやら、僕たちがメトコに支払った5日分の料金は、
ミュールとミュールマンを雇う事に使われず、メトコが盗んだと思っているようです。
諸々の状況から、それは間違いない。
メトコの様子からも、僕たちはそう確信しました。
しかし、メトコは悪びれるようすも謝罪する様子も一切なし。
終いには、事務所から出て行こうとします。
その態度に遂に、ゆきさんがブチ切れ。
そして、突然、メトコの胸ぐらに掴みかかりました!
応戦するメトコ。
さすがのゆきさんでも、男に勝てるはずもない。
そう思ったか、そう思う前かの一瞬で、反射的にメトコに飛びかかったのは僕でした。
すると、スタッフがメトコと僕の間に体を入れて止めに入ります。
それによって、メトコと僕は引き離されました。
スタッフに落ち着くよう促されますが、
その時の僕は以外と冷静。
「ゆきさんにメトコが手を出したら怒るけど、そうじゃなかったら大丈夫。冷静だから。」
みたいな事を言った気がします。
しかし、メトコは腹が立っている様子。
彼をよく見ると、服の胸のあたりが破れています。
どうやら、ゆきさんが破ったようです。
僕が、メトコに飛びかかった時、ゆきさんは既にメトコの胸ぐらを掴んでいました。
僕がメトコからゆきさんを引き離した時、
その反動で胸ぐらを掴んでいた手で彼の服を破ってしまったようです。
メトコは反省する様子が全くありませんでしたが、
最終的に2日分の料金だけ返してくれました。
自分が悪い事をしたのに、お詫びは一切なしです。
もちろんその状況に僕たちは納得はいっていませんが。
その後メトコは事務所を出て、
どこかへ行ってしまいました。
その後、スタッフに交渉したのが、
サンカバールからデバルクまで乗ってきたトラック代の精算について。
しかし、結局その分の料金は返金してもらえず。
事務所が管理しているトラックじゃないし、
乗った事を証明する事もできないから、というのが理由だそう。
でも、トラックの料金が事務所で精算できると、
サンカバールであったスタッフ(他の観光客のガイド)は言っていたんです。
それを主張しても状況は変わらず。
ただ、それに納得いかない僕たちは何か手段がないか考える事に。
事務所の外で座ってゆきさんと話していたその時。
メトコが現れました。
怒りに満ちた表情の彼。
寒くもないのに、なぜか紫色のダウンジャケットを着ています。
僕の方に歩いてきながら、その紫のダウンジャケットを少しまくります。
そこには、拳銃が。
彼は、その拳銃を手にして「ガチャ!」と
安全装置を外すような動き。
やばいッ!!まじの拳銃だッ!!
危険を感じた瞬間、事務所の裏に逃げ込みます。
ゆきさんが、少し離れた所にいてメトコが銃を持っている事に気づいていませんでした。
僕)ゆきさんッ!メトコ銃持ってるッ!
すぐに、ゆきさんに状況を伝えます。
メトコが銃を持っている事に気づいた現地の人達が、
静止する為にメトコに駆け寄ります。
そして、徐々に僕たちとメトコの距離を引き離してくれます。
すると、メトコは彼らの静止を振り切って
林の方へ走って逃げて行きました。
事務所の裏に隠れながら、
その様子を見ていた僕たちは恐怖しかありません。
メトコが今どこにいるのかは、誰にもわかりません。
彼がまた現れて銃で撃たれるかもしれない。
そう考えると、周囲を見回さずにはいられませんでした。
もう、この町にいる事はできない。
一刻も早くこの町を出ないといけない。
そう思って、この町を後にする事にしました。
事務所からバスターミナルまでは、事務所のスタッフが付き添ってくれる事に。
無事バスターミナルに到着。
ゴンダールへのバスに乗車。
しかし、僕たちの気は一切緩みません。
いつ銃を持ったメトコが現れるかわからない。
そんな恐怖心でいっぱいでした。
そんな中、何事もなくバスはゴンダールへ向け出発。
そして、無事ゴンダールの宿まで辿り着く事ができました。
銃を向けられかけた瞬間は、
旅をしていて最も危険を感じた瞬間でした。
そして、ここは日本ではない事を改めて実感しました。
いつ、どこで犯罪に巻き込まれても不思議はない。
それが、世界一周する事のリスクの1つ。
そんな感覚が薄くなっている時の出来事でした。
改めてリスクへの危機感を持って旅をしなければならない。
そう強く思った出来事でした。
【エチオピア世界遺産 シミエン国立公園】
おすすめ度: (星5つ)
国/地域:エチオピア/デバルク
遺産種別:自然遺産
世界遺産登録年:1978年
入場料及び費用:「デバルクでシミエン国立公園の事前準備。荷物、料金、バス等の情報有り」参照
備考:危機遺産登録(1996年〜)
《感想》
地球上のものとは思えない絶景が広がる場所。
トレッキング中に自然の迫力に圧倒される事が何度もありました。
特にイメットゴーゴーから見る景色には大感動。
バンブーやアイベックス等、野生の動物も見逃せません。
僕たちが行った時期は雨季で曇が多かったですが、
乾季に行けば雲が少なくより好条件で絶景を目にする事ができるはず。
日本には知る人が少ないここシミエン国立公園は秘境と呼ぶのに相応しい場所だと思います。
◼︎シミエン国立公園トレッキングの準備についての記事はこちら。
→デバルクでシミエン国立公園観光の事前準備。荷物、料金、バス等の情報有り。
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