ここケニアのナイロビにスラム街がある事をご存知でしょうか。
南アフリカのソウェトに次ぎ、世界第二位の大きさと言われています。
そして、生活水準はソウェトの方がはるかに良いようで、
貧困層が多いキベラでは生活の為に犯罪に手を犯す人も少なくないようです。
私は旅に出るまで、このスラムの存在を知りませんでした。
キベラには早川さんと言って、20年間キベラの中にある
マゴソスクールの運営のお手伝いをしている日本人女性がいます。
その方の活動を知り、どのようなサポートされているのか、
そしてスラムとはどのような所なのか、見てみたいという気持ちが出てきました。
ただ、エチオピアの民族と同じで、
そこで生活をしている人を見に行く事が、
現地の人が「見せ物」のように感じなていないか不安でした。
エチオピアの民族は、それを逆手にとって、
ビジネス化しようとしているため少し違うかもしれませんが、
やっぱり、「見に行く」事に抵抗がなかったとは言えません。
でも、ここまで来たら世界的な問題であるスラムの生活を見て、
なにか考えられたらいいなと思い参加する事にしました。
キベラに行くには現地のガイドや警備の人に帯同してもらう必要があります。
たまに、個人で行く方もいるそうですが、
危険度はとても高いそうです。
私たちは早川さんと日程が合わなかったため
アユミちゃんが手配してくれたツアーに便乗させてもらい
計8人の日本人で行く事になりました。
(1人 20ドル 約3時間のツアー)
ニューケニアロッジでも同じようなツアーを催行しているそうです。
(値段ももう少し安いみたい)
どちらのツアーも警備はありませんが、
現在もキベラに住んでいる人がガイドとして帯同してくれます。
今回のツアーはキベラの近くにあるスーパー・ナクマットで待ち合わせ。
ドキドキしながらバスに乗ってお出かけ。
みんなナイロビにビビっているので小学生みたいにまとまって移動。
バスから見える風景は平和そう。
バスに揺られる事30分、
(ナイロビセンロラル駅から8番バス 30~40シリング)
郊外にある超でかいスーパーが入ったショッピングセンターに到着。
ナクマットの前には像。
中も超デカくてキレイ✨
アフリカにこんなのあるんだー‼︎と、大興奮‼︎
そして、こんな豪華なスーパーの近くにスラムがあるの?と、
とても違和感を覚えます。
どうやらスラムと富裕層はすぐ隣の地区に住んでいるよう。
ガイドの2人と合流していざスラムの中へ。
まだ、入っていないので緑もある。
入ったとたんこんな感じ。
聞いたり、見たりしてはいたけど、
密集する住宅に、ゴミや汚物が散乱している。
その状況はあまりにも衝撃的でした。
このスラムには80~100万人もの人が暮らしていると言われ、
政府も正確な統計が取れていないようです。
しかも、その敷地は狭く、人口密度が高くなっています。
wikipediaで見るとキベラの人口密度は300,000人/km2。
他の情報をみても100,000〜250,000人/km2(統計の誤差や年による変動)。
日本の人口密度は336人/km2、
国別に見た第1位のシンガポールが7,848人/km2。(2014年度)
数字からとてつもない過密地域である事が分かります。
衛星写真からスラムをみたこのサイトが興味深い↓↓↓
職を求めて地方から来た人、両親を亡くした子供たち、
それぞれが、それぞれの事情でこのスラムで暮らしているようです。
民家を抜けると、共同トイレとシャワー。
トイレはキベラの中に約500戸。
約1,600〜2,000人に1戸の割合…。
人口に対して絶対的に不足しているのが現状だそう。
その先にはゴミを焼く場所が…。
この塀の裏は富裕層のためのゴルフ場だそう。
入ってすぐに気持ちは落ち込みました。
貧困とは、こういう事か。
日本に居る時、学校で勉強したり、TVでニュースを見たりしていました。
でも、実際に来て、見て、感じるまで、私はうまく想像出来ていなかったと思います。
そんな気持ちを変えてくれたのは、人々の暮らし。
スラムは危険!とは言うけれど、
同じ人間ですから、何か理由がなければ危険な人にはならないはず。
貧しさや病気(HIV/エイズなど)への罹患、不安、誤解…
いろんな要素が重なって犯罪やドラックに手を伸ばしてしまう人もいるそう。
でも、暮らしている多くの人は、活発で、明るく、前向き。
道の両脇には商店だってたくさん。
肉屋さん。
服屋さん。
携帯のSIMカードだって売っているし、
教会やモスクもあります。
そして、小学校にもお邪魔させていただきました。
孤児やエイズ陽性の子も一緒に通う私営の小学校。
キベラにはその人口の多さから学校が本当にたくさんあります。
でも、政府系の学校は十分ではなく、私営の学校が点在しているみたい。
この小学校はそんなに大きい方ではないけど、
日本でいう幼稚園児のクラスからグレード7までの生徒が通っていました。
幼稚園児のクラスは年齢もごちゃまぜなので、たくさんの生徒。
日本と変わらず、元気で、好奇心旺盛で、いたずら好き。
とっても、素直でピュア。
グレードが上がると、1クラスは4~10人くらい。
人数が少ない学年は、まとめて同じ部屋で授業をしていました。
一応、座る椅子・ノートを取る机は人数分あります。
でも、先生の数は圧倒的に足りません。
だらか、自主学習の時間が多く、教科書を板書したり、
隠れて違う本を読んでいたり(笑)。
あぁ、学校だ。
でも、対応してくれ先生がこっそり耳元で
「あの子がエイズ陽性の子」
と、教えてくれました。
グレード6~7くらいの女の子。
あまりまえだけど、見た目はいたって普通。
正確な数字は忘れちゃったけど、
この学校には10人前後、エイズ陽性の子供達が通っているそう。
ケニア全体での感染率は6.2%(2011年)と言われています。
日本では0.1%以下(2011年)。
偏見はないのかな?学校に通う上での障害はないのかな?
いろいろ聞きたい事があったけど、
自分の英語力とエイズに対する知識がなくてあまり質問出来ませんでした。
働いていた病院でも、実際に患者さんと接する機会もありました。
家の近くに「キースヘリング美術館」があって、
出国直前に働いている友達に案内してもらって、興味をもちました。
でも、でもです。知らない事の方が多い。
アフリカに居るうちに、もう少し理解できる部分を増やしたいなぁ。
その後はママたちが作る「Karibuni Power Women Group」と言うお店に。
子供達の環境はママたちから変えないと、変わらない!
ママたちが働く環境があって、自立する事ができれば、
子供を学校に通わせたり、十分な食事を与える事が出来ます。
ケニアではシングルマザーは珍しい事ではなく、偏見や差別は多くないと言われているそう。
それでも、働く環境や賃金などは女性が圧倒的に不利である事は言うまでもありません。
キベラでも、その日を暮らしていくために売春や犯罪に手を染めてしまう
ママたちも居るそう。
ママたち自身で、ママのコミュニティーの中で自立し、
環境を整えていく事が、子供達の将来につながる大きな土台になる事は間違いないと思いました。
普段は自分へのお土産を買わないけど、素晴らしい取り組みと
素晴らしい出会いに感謝してブレスレットを購入。
コレ、紙を巻いて出来ています!!!
いろんな色が出てきて、可愛い❤️
お次は、何かの工場へ。
途中で通った線路は、ゴミですごい事になっています。
少し高台になっている線路からの眺め。
奥にはマンションが建設されています。
格差社会がはっきりと見える空間。
たどり着いた工場では動物の骨を加工していました!
動物といっても象牙とか違法なものじゃないですよ!(笑)
牛とかの骨って言っていました。
加工してアクセサリーにしたり、木と組み合わせて使ったりしています。
これも可愛い❤️
こういう所に行くと、ツーリスティックだって言う人もいるみたいだけど、
コミュニティーの中で模索して、工夫して、
経済的な安定を確立していく努力が感じ取れました。
そんなに、「買って買って」と、うるさくないし。
支援も大切だけど、生活していく人が「支援されて当たり前」、
「誰かが何かやってくれる」と受け身な考えが浸透してしまうと、
自立する心が育たないみたいですね。
スラムの中から素晴らしいアイディアや商品が生まれるといいな!
最後は、スラムの中にある大きなマーケット。
途中でガイドが「ここが僕のお母さんお店」と子供服屋を紹介してくれました。
実際にスラムの中に住む人が案内してくれる事で、
住民も安心だし、
ガイドを含め、住民が感じている事を直接的に理解するのに良いのかもしれません。
以上が私たちが行ったツアーです。
約3時間のコースでしたが、歩きまわっている時間も多く、
運動不足の私は若干筋肉痛??
さて、キベラを見に行って、何か変わったでしょうか???
今はまだ分かりません。
特に何も変わってないのかも。
でも、支援と言う言葉の意味をちゃんと考えるきっかけになりました。
今までは、支援=学校・病院を建てるなど物資の提供、運営という印象がありました。
あまりボランティアもした事なかったし、漠然と捉えていたと思います。
支援やボランティアの言葉の意味を考えるきっかけになったのは、
貧困でも、スラム出身でも、ケニアでも日本でも、
大きな違いはなかったように感じた事でした。
生きていると、お腹は空くし、眠くもなるし、
暑いとヤル気がなくなるし、
嫌な事もあるし、楽しい事もあります。
お金がなくて、食べ物を変えない時があるけれど、
お金がなくても楽しい時もあります。
お金があって、自分の欲しいものを何でも買えるけど、
お金じゃ買えないものを得れない事もあります。
それは、個人個人、生まれてきた場所・環境、育ってきた背景、
様々な外的・内的要因により違ってきます。
貧困だから助けなきゃいけない、
スラムだから支援しなければいけない、と
一括りにまとめて考える物ではないのかも。
経済的に豊かな側から見て、貧しいから「コレをあげよう」「ああしてあげよう」と、
豊かではない側に自己満足に与えるという事が良い事ではないのかもしれない。
もちろん、今、世界中で支援している個人・グループの人たちはちゃんと分かっていて、
やっていると思います。
私は、その事について何も知らなかったから、
勝手なイメージが付いていました。
彼らが、健やかに、教養を得て、考えて行動できる環境を支援し、
その上で彼らが彼ららしい生活を自分たちで構築していける事が支援なのかな?と感じました。
なんか、まとまりませんが、
そんな感じです。
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